本症例は10代後半の男性で、スポーツ選手。
約3か月。
前歯部歯肉の腫脹を主訴に来院。患歯は数年前に外傷により脱臼して再植している。歯根部は外部吸収しており、動揺度は3度。保存不可能と判断し抜去した。抜歯の際に、歯槽骨の吸収を最小限にするため、抜歯窩に骨移植材を充填している。両隣在歯は未処置歯なため、インプラント治療を選択したいが、クライアントは職業上、前歯部に外傷を受けやすい。そのような場合、インプラントは禁忌であるため、歯質の削除をせずにすむ、接着性ブリッジによる欠損補綴を選択した。近年の接着性ブリッジは接着技術の向上により、ほとんど歯質を除去しなくても良好な予後を得ることができる。また、強い外力が加わった場合でも、隣在歯への影響も少なく、今回のようなケースでは第1選択と考えられる。
ほとんど歯を削らないため、歯の裏が厚くなり、また通常の冠タイプと比べ取れやすい。