本症例は20才代後半の男性で、全顎的な歯周治療を希望して来院。
24ヶ月(動的治療期間)
多発的なう蝕による修復処置や歯内処置が古くなっており全顎的な歯科処置が必要になった症例である。特に下顎白歯部はパーフォレーションなどが目立ち、予後としては疑問を残さざるを得ない処置となったが、歯周処置としては非外科的処置とした。
歯周基本治療として、口腔衛生指導、スケーリング&ルートプレーニング、う蝕処置、歯内処置を行い、特に下顎左側大臼歯部の2本には髄床底付近にパーフォレーションが認められたため、両根管処置の後、アマルガムにて穿孔部を閉鎖。築造の後、金属冠(白金加金)を作製した。同じようにインレーも全て白金加金で作製し、上顎右側のブリッジと無髄歯であった上顎左側犬歯は陶材焼付鋳造冠にて補綴を行った。
術前写真は1994年、術後写真は術後3年が経過した1999年に撮影されたものである。現在も半年に1度のメインテナンスに通っており、状態は安定している。
歯周病の治療は進行を止める治療であり、完全に元の状態に戻す治療ではありません。歯周病治療の成功させるには患者自身の口腔衛生管理は非常に重要です。また生活習慣の改善が必要となる場合があります。歯周病の原因は除去できないため、再発のリスクが常にあります。