本症例は40才代の女性で、咬合崩壊を主訴に来院。
約14カ月
精査の結果、全顎的な歯周治療と咬合再建が必要と診断された。歯周治療において、保存可能歯と判断された歯も咬合負担能力は低下していることが多く、残存歯の永続的な咬合参加を可能にするには、欠損部の咬合負担をいかに残存歯に分散させるかが重要な要素といえる。
本症例では,臼歯部の確実なバーティカルストップを得ることにより前歯部のフレアアウトを改善。また、保存された残存歯の負担を軽減させるために積極的にインプラント治療を適応させた。
歯周治療において、ダメージを受け咬合負担能力が低下した残存歯を保護するという観点から、インプラント治療は非常に有効な欠損補綴と考える。全顎的な歯内・歯周・補綴治療を行うことで、予知性の高い治療を行うことができた。
歯周病の治療は進行を止める治療であり、完全に元の状態に戻す治療ではありません。歯周病治療の成功させるには患者自身の口腔衛生管理は非常に重要です。また生活習慣の改善が必要となる場合があります。歯周病の原因は除去できないため、再発のリスクが常にあります。