40代女性
1か月
上顎4前歯の審美障害を訴え来院。患歯は某歯科医院にて度重なるコンポジットレジン充填により審美傷害を呈しており、また、歯冠部の破折もあった(ビフォアー写真の両側切歯は既に暫間被覆冠が作製されている)。オールセラミックスクラウンによる審美修復を行うこととし、通法に従い支台歯形成を行い(Figs.1-2)、即時に暫間被覆冠(TeC)を作製した(Fig.3).オールセラミックスクラウンによる審美修復は極めて自然感のある歯冠修復を可能にするが、支台歯形成やセメント合着に特別な配慮を必要とするため、施術が難しい。支台歯形成に配慮する点は、応力集中の回避、歯質削除量の均一化、スムースな切削面などをあげることができる(Figs.1-2)。今回は、右上側切歯にファイバーグラスコア(ファイバーグラスでできた土台)を用いることにより、隣在する天然歯と同じ様な光の透過性が得られるように配慮した。結果、歯冠齢の透明感もさることながら、歯頸部や歯肉の自然感も表現されており、明るく透明感のある処置とすることができた(アフター写真)。
オールセラミックスクラウンはメタルクラウンと比較して、材料の厚みを確保するために歯を削る量が増えます。