50代女性
約8カ月
本症例は50歳代の女性で、左側上顎前歯部のインプラント治療を希望し、紹介にて来院。顎堤の吸 収は軽微であり、歯肉の厚みは厚い(Figs. 1- 2)。通法どおりインプラントを埋入するが、後に歯間乳頭を形成する上で、唇側や歯槽頂切開線は審美的に不都合となることがあるため、口蓋側よりの切開 とした(Fig. 3)。2次手術時の歯肉の状態は良好で、審美ゾーンに切開線の傷跡は認められない(Figs. 4- 5)。歯間乳頭を形成するために、2次手術はフラップレスにて行い、ヒーリングアバットメントの選択を適宜行う(Fig. 6)。上部構造体作製時に歯間乳頭の形態を考慮して作製することで、平らであった顎堤はインプラントに沿ったスキャロップ形態を付与することが出来、インプラント間の歯間乳頭を形成することができた(Fig. 7)。このように症例選択を的確に行い、術式を工夫をすれば、インプラントであっても歯肉と調和を保った上部構造体を作製することは可能である。(Figs. 8- 10)。
上顎臼歯部のインプラント治療は上顎洞へ障害を及ぼした場合、一時的あるいは継続的な慢性炎症を生じる可能性があります。手術後のダウンタイム(痛みや腫脹が起こる期間)は約2週間です。