30代男性
約10カ月
本症例は30歳代の男性で、前歯部の審美改善を希望して来院。前歯部は2年ほど前に米国ボストンで審美歯科治療を受けたと言うが、装着されているクラウンはレジンジャケット冠で、その適合は悪い(Fig.1)。クラウンの内部の処理は更に悪く、二次カリエスのため、右上犬歯と側切歯は抜歯となり、インプラントを埋入。レジンジャケット冠を利用してプロビジョナルを作製した(Fig.2)。支台は全て再製した(Fig.3)。抜歯即時フラップレスにてインプラントを埋入することによりインプラント-インプラント間の歯間乳頭を温存することができる(Figs.5,6)。リップサポートを得るために上部構造体は唇側に突出気味にせざるをえなかったのが、少々残念ではあるが、クライアントは大変満足している(Fig.4)。歯肉のバイオタイプはシン・スキャロップであったが、インプラント周囲に温存された歯間乳頭と辺縁歯肉は安定している。Fig.7 は上部構造体装着時で、Fig.8は1年後の状態であるが、歯肉に変化は認められない。
通常のインプラント治療と比べ、本術式は歯肉を剥離せずに埋め込みを行うため、隣在歯の損傷や唇側への穿孔などのリスクが高まります。手術後のダウンタイム(痛みや腫脹が起こる期間)は約3-4日です。