50代女性
約5カ月
本症例は50歳代の女性で、臼歯部の欠損補綴を希望して某歯科医院へ来院。ブリッジの支台にパーフォレーションがあり、支台歯として不適当の指摘を受けインプラント治療を検討するため紹介を受けた(Fig.1)。パーフォレーション部は比較的深い位置であり抜歯適応となるが、MTAにて閉鎖。その後良好な経過を見るが、ブリッジの支台として使用していくには不安があるため、欠損部はインプラントとした。欠損部の骨量に問題はなく、通法どおり埋入し、3ヵ月の治癒を待ち(Fig.2)2次手術を行った。付着歯肉のロスを防ぐため、2次手術はフラップレスにて行う。このフラップレスはどのインプラントシステムでも出来るわけではなく、アストラかアンキロースで可能な術式である(Figs.3,4)。フラップレスにて付着歯肉の喪失を最小限にしたため、十分な角化歯肉の温存をすることが出来(Fig.5)、また、審美的で機能的な上部構造体を装着することが出来た(Fig.6)。初診時の欠損部は凹状であったが(Fig.7)、インプラント治療により、歯肉の形態もより自然となり(Fig.8)、審美的にも機能的にも良好な歯を復元することが出来た(Fig.9)。インプラント手前の歯はオールセラミックスによる修復としている。
下顎のインプラントは下歯槽神経に障害を及ぼした場合、数か月の知覚異常が生じる場合があります。手術後のダウンタイム(痛みや腫脹が起こる期間)は約1週間です。