40才代の女性で、上顎前歯部の外傷で来院。
約1か月
左上中切歯の歯冠は破折しており、緊急処置にて破折片を接着している(Fig.1)。クライアントは前歯部の歯列不正も気にしており今回の施術の際に修正を希望。患歯歯髄反応の有無を判断するため、2ケ月程度の経過観察期間を経て、通法に従いセラミックス冠のための形成を行った。右上中切歯は、う蝕と歯列不正のため同じように、セラミックス冠とした。また、両側切歯はコンポジットレジンにて、う蝕処置をしている。
今回、歯頸線の不揃い(Fig.1-白線)は、外科的な手法を用いず、歯冠部の豊隆を変更することにより、極力改善させた(Fig.2-白線)。Fig.では右上中切歯は唇側および遠心へ傾斜しており、また近心捻転している。
これを補綴的に改善したため、歯頸部歯肉のせり上がりが起き、歯頸線の歯冠側への移動が起きているのがわかる.また、患部の清掃状態は不良であり(Fig.1)、歯肉の発赤腫脹が認められたが口腔衛生指導の徹底により改善している(Fig.2)。
オールセラミックスクラウンはメタルクラウンと比較して、材料の厚みを確保するために歯を削る量が増えます。