20才代後半の女性で、職業は歯科医師。
約3週間
下顎咬合面に処置されているメタルインレーをセラミックスインレーに処置しなおしたいと希望。クライアントの下顎両大臼歯部には、合計4つのメタルインレーが施されていた(Fig.1では既に右側大臼歯部のメタルインレーはセラミックスインレーに処置済み)。メタルインレーを除去後、通法に従いプレパレーションを行う。セラミックス修復におけるプレパレーションの注意点は、応力集中を避け、フィニッシングラインはバットジョイントになるように配慮する。その他、前歯部であれば、アンテリアガイダンスのチェックも必要不可欠である。セラミックス修復で最も懸念される術後のトラブルは、セラミックスの破折であるが、入念な咬合診査、的確なプレパレーション、術後の精密な咬合調整などが行われていれば、ほとんどのケースで破折を未然に防ぐことができる。
また、セラミックス修復における審美的な成功の是非は、技工士のクオリティによるところが大きいことも忘れてはならない重要な要素である。
セラミックインレーはメタルインレーと比較して、材料の厚みを確保するために歯を削る量が増えます。