20代女性、職業は歯科医師
約2か月
笑顔が醜いという主訴で依頼された。精査の結果、元々前歯部は空隙歯列であり、両中切歯(白矢印)にコンポジットレジンを盛ることにより幅径を大きくしてあった。そのため、歯冠長と歯冠幅のバランスは悪く、また歯頸線も歯冠側に位置することから、著しい審美障害を呈していた。診断用の模型とグラフィックから、理想的な歯頸線をシミュレートした結果、両中切歯に関しては理想的な歯頸線にしてしまうと、歯冠幅径をコンポジットレジンにて広げているため、他の歯に比べ歯冠部が大きくなり、両中切歯が目立つ様になってしまうことが判明。このため、両中切歯においては歯冠部中央の歯頸線のみを理想的な位置と、近遠心的な歯肉整形は最小限にとどめた。結果、歯冠の形態は三角形に近い形になったが、両中切歯が目立つことなく歯頸線がそろっている。また、両犬歯部においては歯槽骨も過剰増生しており、歯槽骨整形術を行うことにより、より自然に歯冠部から歯肉へ移行している。
歯周形成外科手術は、術式自体は従来の方法を用いるが、クライアントの審美的な要求が高いため、入念な術前診査とシミュレートが必須であると言えよう。
術後は出血・痛み・腫れがおこります。経時的に歯茎が元の形に戻ってしまうことがあります。