50代女性
約5カ月
本症例は50代の女性で、下顎臼歯部のブリッジの不調を訴え来院。精査の結果、両側臼歯部ブリッジの支台歯は破折しており保存不可能と判断。特に右最後臼歯の破折による骨欠損は大きく、病巣は下顎管まで達していた。病巣と下顎管を分離する作業に1時間近くかかり、術後の麻痺も懸念された。当初、右下臼歯部3本分のインプラント埋入を予定していたが、欠損部の骨幅は狭くGBRも予定されていたため、最後臼歯部への1本は省略し2本の埋入のみとした。幸い術後の麻痺は起こらず、GBRの際に用いたゴアテックス膜も露出しなかった。
全顎的な治療を計画しているが、上顎と下顎前歯部は現在、着手していない。インプラント治療に付随して、下顎右側第二小臼歯(白矢印)の再治療も行った。根管治療の結果、根尖の不透過像も消失(赤矢印)しており、右側臼歯部での咀嚼機能はほぼ回復した。現在、左側臼歯部のインプラント治療を含めた、咬合機能の改善に着手しており、終わり次第、下顎前歯部の治療を行う予定でいる。
下顎のインプラントは下歯槽神経に障害を及ぼした場合、数か月の知覚異常が生じる場合があります。手術後のダウンタイム(痛みや腫脹が起こる期間)は約1週間です。