60代男性
約5カ月
本症例は60代の男性で、全顎的インプラント治療を希望し紹介を受けた。左右臼歯部共に咬合崩壊を起こし、臼歯部でのバーティカルストップはかろうじて保たれている( Fig. 1)が、咬合高径は低く、前歯部のフレアーアウトを引き起こしている。左下第一小臼歯は残根状態であり、保存不可能と判断し抜歯を行い治癒を待った(Fig. 2)。抜歯後3ヵ月で一次手術を行うと、重度の顎堤吸収が起こっており(Fig. 3)、リッジエキスパンジョンにより歯槽骨の拡大を行った(Fig. 4)。一次手術の後、適切な顎堤の増大が図られているのが分かる(Fig. 5) 。臼歯部の咬合高径が低くなっていたために、前歯部での著しい咬耗を認めたため、コンポジットレジンによりビルトアップを行い、側方運動時のガイドを付与(Fig. 6 赤矢印)。審美的にも機能的にも理想的な上部構造体が装着されている(Fig. 6)。
下顎のインプラントは下歯槽神経に障害を及ぼした場合、数か月の知覚異常が生じる場合があります。手術後のダウンタイム(痛みや腫脹が起こる期間)は約1週間です。