本症例は20歳代の男性
約12カ月
某歯科医院より前歯の治療を依頼された(Fig.1)。患歯は破折して久しく、著しい骨吸収(Fig.19)が見られたため、抜歯即時インプラントの適応にはならない。注意深く抜歯を行ったところ、唇側の骨はなく(Fig.2)、嚢胞を摘出すると大きな骨欠損が認められた(Fig.3)。抜歯後3ヵ月程度の治癒期間を経て(Fig.4)、インプラント埋入を行ったが、骨欠損が大きく、審美的な障害が懸念されたため(Figs.5,6)、骨増生を併用した(Figs.7,8,9)。再び埋入後6ヶ月の治癒期間を経て(Figs.10,11,12)、2次手術を行い、設置されたゴアテックス膜下部には十分な骨増生を認めたため骨整形を行い(Figs.13,14,15)、ヒーリングアバットメントを設置した(Fig.16)。その後、通法どおり上部構造体を作製(Fig.17)し、メインテナンスに移行して、 現在3年が経過した(Fig.18)。審美的にも満足でき、また存在した骨欠損も回復し、隣在歯の歯根膜腔も回復している(Fig.20)。
手術後に遮断膜の露出が生じたり、隣在歯の歯肉退縮が起こる場合があります。手術後のダウンタイム(痛みや腫脹が起こる期間)は約2週間です。