ここでは審美的治療を行った症例について紹介しています。
話したり、笑った時に歯茎が見えすぎてしまうことにコンプレックスを感じているとのこと。13-23歯頸線(写真赤線)を基準に、上顎6前歯の辺縁歯肉を切除。術後10か月で若干の後戻りは見られるものの、生理学的に正常な歯肉ラインを保てている。
笑ったときに歯茎が見えすぎるとの審美障害を訴え来院(術前写真)。コンサルティングの結果、上顎4前歯の歯肉整形ならびに切除術を行うこととなった。右上の2番(側切歯)は舌側転位しているため、術後二ヵ月後に再度歯肉切除を行った。術後半年の状態で後戻り傾向もなく良好な治癒となっている(術後写真)。
歯肉整形(ガミースマイルの改善)を希望し来院(ビフォー写真)。コンサルティングの結果、両中切歯と左側切歯部の歯肉切除を行うこととなった。クライアントは矯正治療の既往がある。矯正治療の結果、歯肉の過形成や残存が起こることがあるが、歯肉単独の問題であることが多く、本症例も、歯肉切除のみ施術した。本症例のようなケースでも術後、殆ど痛みもなく、創面の治癒も良好である。写真は術後2週であるが、ほぼ完全に治癒している(アフター写真)。
前歯の歯茎が見えすぎる(ガミースマイル)ということで来院。クライアントは方々の歯科医院を受診したが、統一した見解は得られなかったと言う。一見(Fig.1)ガミースマイルは軽微な感じを受けるがクライアントの顔の形は卵形で顔貌と上顎前歯の歯冠形態の不調和が存在した。ガミースマイルの改善というよりは、歯冠形態の改善、正確には歯肉スキャロップ形態の改善が必要と考え、クライアントに歯肉切除デザインを説明し了解を得た。精査の結果、上顎4前歯の歯肉スキャロップ形態を改善すると、顔貌との調和が取れることが判明したため施術(Fig.2)。本症例のようなケースでは術後、殆ど痛みもなく、1か月後には創面も完全に治癒している(Fig.3)。
全顎的に歯がしみるということで来院。う蝕処置および歯周処置が終了したのち、前歯部歯肉のメラニン色素の除去を希望(Fig.1)。メラニン色素の除去は薬剤を用いる化学的除去法や回転切削器具を用いる物理的除去法などが挙げられるが、術後の疼痛や術式の簡便さなどに不満が残る。そこで本症例では、レーザー(Nd:YAG)を用い、蒸散によるメラニン色素の除去を行った。レーザーによる蒸散では、術後疼痛も極めて少なく、術式も簡便でメラニン色素の除去には非常に効果的である。写真(Fig.2)は、照射後1週の状態であるが、メラニン色素はほぼ除去されている。
笑顔が醜いという主訴で依頼された。精査の結果、元々前歯部は空隙歯列であり、両中切歯(白矢印)にコンポジットレジンを盛ることにより幅径を大きくしてあった。そのため、歯冠長と歯冠幅のバランスは悪く、また歯頸線も歯冠側に位置することから、著しい審美障害を呈していた。診断用の模型とグラフィックから、理想的な歯頸線をシミュレートした結果、両中切歯に関しては理想的な歯頸線にしてしまうと、歯冠幅径をコンポジットレジンにて広げているため、他の歯に比べ歯冠部が大きくなり、両中切歯が目立つ様になってしまうことが判明。このため、両中切歯においては歯冠部中央の歯頸線のみを理想的な位置と、近遠心的な歯肉整形は最小限にとどめた。結果、歯冠の形態は三角形に近い形になったが、両中切歯が目立つことなく歯頸線がそろっている。また、両犬歯部においては歯槽骨も過剰増生しており、歯槽骨整形術を行うことにより、より自然に歯冠部から歯肉へ移行している。 歯周形成外科手術は、術式自体は従来の方法を用いるが、クライアントの審美的な要求が高いため、入念な術前診査とシミュレートが必須であると言えよう。
笑った時に歯肉が見えすぎること(いわゆる歯茎笑い:ガミースマイル)を改善して欲しいと来院。精査の結果、歯の大きさに問題はなく、歯肉の過剰被覆が原因と判明した。正常な歯肉レベルはセメント―エナメル境から1~2mm歯冠側に位置するが、何らかの原因により、歯肉レベルが正常ラインよりも歯冠側に位置することがしばしば見られる。歯肉レベルが歯冠側に位置すると、初診時の写真のごとく、歯は短く見え、笑った時に歯肉の露出が多く審美障害を呈する。ガミースマイルは審美的障害のみならず、心理的障害を与える一因となる。実際、クライアントは笑う時に手を口元に持っていく癖がついていた。 精査の結果歯肉の過剰被覆が原因であれば、写真上や模型上で理想的な歯頸線をシュミレートし歯肉整形を行うだけで驚くほど簡単に綺麗に修正が可能である。本症例はクライアントの年齢が20才代前半ということもあるが、マイクロスコープ下における丁寧な歯肉整形術により術後1週間で創面はほぼ完治している。